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第七話 なぜ、君が死ぬ夢を見る?

last update Fecha de publicación: 2026-08-15 23:08:41

 その後、淳は予定通り使用人としての部屋をあてがってもらい、海原家のベッドで眠ることができた。

 なかなか寝付けなかったが、ようやく寝付いたと思った頃、唐突に意識を引き戻された。

 また、あの夢だった。

 視界を埋め尽くす、底知れぬ漆黒の水面。

 吹き荒れる夜風に煽られ、乱れる濡れた長い黒髪。

 崖の突端に、雨に打たれた白いドレスを纏った美しい女が、ひとり背を向けて立ち尽くしている。

 場面が変わる。場所はどこかの別荘のようだ。

 女性が自分をすり抜けて走っていく。

 波が崖へ叩きつけられるたび、白い飛沫が闇の中へ舞い上がった。

 淳は裸足で走っていた。足の裏が切れているのか、一歩踏み出すたびに痛む。それでも止まることができない。

 少し先を、先ほどの女性が走っている。長い黒髪に雨に濡れた白い服。

「待って!」

 叫んだはずなのに声が出ず、女性は振り返らない。

 その先には崖しかなかった。恐ろしい程に牙を剥いた波が、その身を岸壁にたたきつけるようにしてしぶきを上げている。

――行くな!

――そっちへ行くな!!

 手を伸ばそうとしても、指先ひとつ動かない。

 
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